(1) 水族館 |
実はテヅルモヅルを飼育展示している水族館はそれなりにあります。
ここでは、私が知る限りですが、テヅルモヅルを飼育展示している水族館を紹介します。
・京都大学付属白浜水族館
全国で唯一の国立大学の付属水族館です。
特に無脊椎動物の展示に力が入れられており、飼育されている生物のほとんどが水族館周辺で採集されたものです。
ここには、サメハダテヅルモヅルやアカテヅルモヅルがよく展示されています。
近くの南部漁港から生物を仕入れているので、
刺し網が深くなる冬場に行けばモヅルに遭遇できる確率がグンをアップです。
・三重県鳥羽水族館
ここでも近くの刺し網船からテヅルモヅルが仕入れられているようで、
ときどき驚くような珍しいテヅルモヅルが飼育されたりしています。
また、ここの飼育員さんの日記もお勧めです。
その日に仕入れられた生き物に関する事や、飼育の裏話が見られます。要チェックです。ちなみに、ここのダイオウグソクムシが1500日以上絶食したまま生きているということで、
最近ニュースになっているようです。
・沖縄美ら海水族館
説明の必要はないでしょう。言わずと知れた日本一の来館者数を誇る(2013年2月現在)、
沖縄の大水族館です。年間で350万人を超えるとか。すごいものです。
巨大水槽のジンベエザメの展示で有名な当水族館ですが、実は深海生物コーナーも充実しています。
ここにも、驚くべきモヅルが展示されていたことがあり、
研究材料を分けてもらったことがあります。
・新江の島水族館
JAMSTEC(海洋開発機構)をはじめとする様々な機関と連携しており、深海生物の展示が有名です。
東京からのアクセスもよく、多くの方がお手軽にもづるを楽しめます。
ここでも定期的にもづるの採集が行われているようで、常時モヅルが展示されています。
(2) 博物館 |
多くの博物館では、所属の学芸員が研究材料として各地から採集してきた標本が保管されています。
これらの標本の多くは、展示用としてだけでなく、研究用として保管されています。
もちろん、運が良ければ展示として一般に公開しているものをみられるかもしれませんが、
研究目的であれば、未整理の所蔵標本を見せて(あるいは調査させて)もらえるかもしれません。
以下に、これまで私が訪問してきた博物館(的機関)を挙げていきます。
・国立科学博物館
国内唯一の国立博物館です。各研究部で様々な標本の採集活動が行われており、その数は日本随一と言えるでしょう。
海産無脊椎動物研究チームではクモヒトデをはじめとする棘皮動物が研究室されており、
国内だけでなく、世界各地から集められたもづる標本も所蔵されています。
ちなみにいくつかの研究室は東京大学と連携しており、修士・博士課程の学生を募集しています。
私が学位を取得した研究室でもあります。
・千葉県立中央博物館
地方の博物館としては並はずれた規模を持つ大博物館です。学芸員の数も多く、研究活動も活発に行われています。
棘皮動物の専門家はおりませんが、刺胞動物、軟体動物、甲殻類の専門家が所属しており、
彼らによって集められたもづる標本が数多く眠っています。
この博物館に所蔵されていた標本を基にした論文も書きました。
・スミソニアン博物館
アメリカのスミソニアン協会に所属している自然史博物館です。
約160年もの歴史を持ち、収蔵コレクション数はなんと1億点を超えるとか。
世界最大規模の博物館と言えます。
ここにも海産無脊椎動物の研究室があり、ナマコやヒトデを中心として棘皮動物が研究されているようです。
展示観覧は全て無料です、2010年2月の時点では、もづるの標本も展示されていました。
・てづるもづるの生活
・採集してみよう
・何種くらいいるの?
・クモヒトデとの関係は?